衣類廃棄物の再資源化において、最も重要なことは「再び廃棄物にならない」仕組みをつくることです。
現在の衣類業界では、回収した衣類を再生糸へ加工する手法が主流となっています。しかしこの方法は、消費者の環境意識の高さに大きく依存しており、意識の高い層が増えれば変化は可能である一方、日本全体としては世界と比較してまだ十分なマインドが醸成されているとは言えません。
クレサヴァは、衣類に関する過去の文献を一から調査・研究した結果、「和紙」という素材に行き着きました。
かつて和紙は、肥料や土壌改良の一部として活用されていた歴史があり、自然循環の中で機能していた素材です。
私たちはこの可能性に着目し、京都・美山という自社で保有する地域において、開発を本格的にスタートさせました。
OUR TIMELINE FOR REGENERATION
(2021-2025)

2021年|和紙の生分解性という可能性

2022年(前半)|「和紙とのある生活」を求めて
開発工程の中で、私たちが最も驚いたのは和紙の生分解性でした。
微生物が和紙をエネルギー源として分解・摂取していることが確認され、その結果、土壌中の微生物環境が活性化し、非常に健全で活発な状態になることが明らかになりました。
この発見をきっかけに、「衣類が土へと還る」という新たな可能性が現実的なものとして立ち上がりました。
なお、「天然繊維は土に戻る」と謳う企業は多く存在しますが、実際には染色や加工を施すことで化学的性質を帯び、結果として生分解性を失っているケースも少なくありません。
私たちはこの課題を真正面から捉え、東京のユーザーへ展開するための製品開発を開始。
“土に変わる衣類”の量産フェーズへと踏み出しました。

2022年(後半)|南青山にて2年間の旗艦拠点を開設
まずは感度の高いユーザーに直接届けることを目的とし、南青山にて販売をスタートしました。
ターゲットを高年収層としたのは、単に購買力を理由としたものではなく、海外での生活・学習・仕事経験が多く、新しい価値観への反応を確認したいと考えたためです。
店舗では、和紙繊維を用いたウエアの販売に加え、生活雑貨、カウンターバーを併設。
さらに、京都・美山で実際に栽培した野菜を用いた飲食提供を行い、「衣」と「食」が初めて一体となる体験空間を創出しました。
2年間の運営を通じて多くのお客様に恵まれ、大きな成果を得ると同時に、今後の研究開発において最も重要なのはユーザーの行動変容であることを実感しました。
その中で明確になった課題が、「化学繊維をどのように循環させるか」という点です。
この課題に向き合わなければ、衣類廃棄問題の本質的な解決はないと強く認識しました。

2022年(後半)|天然/化学素材を農業へ
「衣類の本質は何か」と問われたとき、私たちは農業であると答えます。 農業があってこそ繊維は生まれます。この二つの産業が再び融合する未来を見据え、開発を本格化させました。最大の課題は、農業基準をクリアできるか、ポリエステル(マイクロファイバー)を除去できるか、付属品の分別が可能か再資源化プロセス自体が環境負荷の少ないものであるか、これらは極めて重要な社会資源です。 回収し、肥料・土壌改良剤として再生し、農業の栄養価として循環させる。 ここにCIRCULAR FARMの原点があります。

2023年(前半)|CIRCULAR FARM 誕生
CIRCULAR FARM が誕生しました。 “No more fashion waste. Have more green.” 東急プラザ銀座7階にてミュージアムとレストランを併設した期間限定の拠点を展開し、これまでのストーリーを「見える化」しました。 結果として、300社以上の企業に来場いただき、複数の取引や協業がスタート。 B2Cにおいても、製品購入やレストラン体験を通じて生活習慣を見直すきっかけとなった方が多く生まれました。 衣類と農業の組み合わせは非常に新鮮であり、体験を通じて理解できることの価値を強く実感しました。 CIRCULAR FARMは、社会を変えうる確信へと変わりました。

2023年(後半)– 2024年|FARM EXAMINATION
土壌改良剤を各地の農地でテスト。 微生物の活性化に加え、土壌病害を軽減する効果が確認されました。 病害の軽減は農家にとって極めて重要であり、収穫量や品質に直結します。 この成果により、農業現場への具体的な価値提供と販売戦略を構築することができ、現在も開発は継続しています。 一方で、衣類を「ゴミ」として扱う現行制度には大きな課題を感じています。 衣類を資源として再定義すること。 それが私たちのMISSIONです。

2024年(後半)– 2025年|回収と再資源化
今後、私たちは和紙の栽培そのものへと視点を広げ、素材の起点から新たな循環を創出していきます。
数多くの発明を生み出してきたクレサヴァにとって、ここから始まるのは、単なる再生ではありません。
それは、新たな REGENERATION の幕開けです。





クレサヴァ株式会社
03-6812-9401
105-0001東京都港区虎ノ門2丁目2-3アルセアタワー3F
community@cresava.com
